終盤の国会で改正鯨類科学調査実施法が成立…


 終盤の国会で改正鯨類科学調査実施法が成立した。商業捕鯨が31年ぶりに再開し、調査捕鯨が終了したことを受けての改正だ。国によるクジラの捕獲や解体技術の普及支援、反捕鯨団体の妨害対策も盛り込まれている。

 英国生まれの作家、C・W・ニコルさんは、日本の捕鯨文化の価値を知るナチュラリストだ。『海洋記』の中で、メルヴィルの小説『白鯨』に「反捕鯨運動の多くについて、そのルーツを見いだしえる」と述べている。『白鯨』には、モリを撃ち込まれたクジラの断末魔の様子などが描かれている。

 動物愛護国を自任する英国のBBCは、ネパールのバリヤプールでヒンズー教の「ガディマイ祭り」が始まったことを大きく報じている。5年に1度催されるこの祭りでは、力を象徴する女神ガディマイに水牛やヤギが生贄(いけにえ)として捧(ささ)げられ、前回は動物20万頭が屠られたという。大きな牛刀で首を切ろうとする男性や、地面に横たわる夥しい牛の死骸などの写真は衝撃的だ。

 この祭りへの反対が高まり、2015年に寺院側が禁止令を出して最高裁判所も止めるよう政府に命じた。だが、結局行われた。

 数世紀にわたり続けられてきた宗教的儀式を変えるのは簡単ではない。一方、動物たちの苦しむ姿は見るにたえないものがある。

 日本の捕鯨は「一頭七浦を潤す」という。クジラへの感謝の表現だ。反捕鯨の嵐の中で、日本は捕鯨を自然との共生文化としてより洗練させていく必要がある。