今年の半島四字熟語


地球だより

 日本漢字能力検定協会が公募・発表する「今年の漢字」に自然災害が多発したことを受けて「災」が選ばれたが、韓国でも2001年から教授団体が発行する新聞から「今年の四字成語(熟語)」が発表されてきた。韓国はもともとハングルと漢字を併用していたが、もう20年以上、日常生活では漢字をめっきり使わなくなった。四字熟語に通じていることは知識人のステータスシンボルのようなところがあり、年賀状に入れる人も少なくない。

 年末の発表を前に一足早く筆者が独断と偏見(?)で選んでみたのが「阿諛追従(あゆついしょう)」だ。気に入られようとして、おもねりへつらうの意で、非核化をめぐり口先だけで全く行動が伴わなかった北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と、三度の首脳会談に臨みながら、平身低頭に一貫した文在寅大統領の姿勢を言い当ててはいないだろうか。

 ついでに北朝鮮に送りたい今年の四字熟語は「慇懃無礼(いんぎんぶれい)」。表面は礼儀正しく丁寧だが、実際は尊大で相手を見下しているさまを意味し、南北・米朝首脳会談や平昌冬季五輪での友好的な振る舞いとは裏腹に、核・ミサイル開発やサイバーテロの手を緩めない北朝鮮のダブルスタンダードを表している。

 ご当人や南北融和派からは「余計なお世話!」とお叱りを受けそうだが、国際社会も本音は朝鮮半島の指導者たちに辛い点数を付けたいところだろう。

(U)