活力感じる古都コンヤ
地球だより
首都アンカラに近い、トルコ最古の都市コンヤに行く機会があった。コンヤはセルジュク・トルコ時代の首都だった。
トルコ最大の都市イスタンブールとアンカラは、高速鉄道で結ばれていることはよく知られているが、アンカラとコンヤも高速鉄道で結ばれている。
前者の場合、4時間ほどかかるが、アンカラからコンヤまでは2時間足らずで到着する。
この街には、訪問者を引き付ける強力な磁場がある。人口1500万人のイスタンブールの場合、さまざまな国籍や人種が寄せ集まった賑(にぎ)わいからくる活気を感じられるが、労働の現場や人々の生活とじかに接することができるコンヤではもっと内側から発している活力を感じる。
街のランドマーク的存在であるアズィズィエ・モスクの近郊には、門前町よろしく、多くの商店が列をなしている。土産物屋やレストラン、オーダーメイドの伝統衣装店、洋装店も軒を並べている。
その通りでは、窓越しに縫い子が針を通す姿が見えるし、墓石に文様や名前を刻む姿もある。裸電球1個の下で指輪作りに励む宝石職人もいる。あちこちにあるチャイ(お茶)屋からは、チャイを2~3杯載せた出前の盆を片手に小学生低学年ぐらいの子供が、小走りで立ち回っている。
駅前のシャッター街ばかりが目立つ日本のローカル都市とは、全く違う賑やかな光景がここにはある。
なお、コンヤはパウロがキリスト教の布教に訪れたことがあり、パウロ書簡の一つガラテヤ人への手紙は、この地域の教会に宛てたとされる。
(T)