正恩氏にまた“消える”予言


地球だより

 こちらでも年末恒例の「今年の10大ニュース」がマスコミ各社から発表され、断トツ1位は「国政介入事件による朴槿恵大統領の弾劾・罷免」だったが、記者が多少の私情を込めて選んだ「朝鮮半島10大ニュース」の1位は「正恩氏にまた“消える”予言」だ。これはある女性脱北者が評判の占い師に北朝鮮の最高指導者、金正恩朝鮮労働党委員長の「寿命」を見てもらったところ「2019年にはその名はこの地上から消えている」という衝撃の予言だった――というものだ。

 実は彼女、6年ほど前にも同じ占い師から“消える”予言を聞かされた。その顛末(てんまつ)は12年1月16日付小欄「正恩氏に“消える”予言」に記したが、父親の金正日総書記の死を的中させたほか、今回、正恩氏の異母兄、正男氏の死についてもほぼ正確に言い当てたと明かしてくれた。占い師が予言した正男氏の死は「16年」だが、実際にマレーシアで暗殺されたのは17年2月13日。年明けの正月も過ぎた時点だから厳密には占いは外れだが、旧暦という“裏技”を使うとその日は17年1月17日となり「許容範囲」だというのだ。

 ご本人には気の毒だが、核、ミサイル、拉致、人権蹂躙(じゅうりん)などで自国住民と国際社会を脅(おびや)かす独裁者が“消える”ことに反対する人はそう多くないはずだ。北朝鮮に振り回された年が暮れようとしているが、新年は違った展開を見たいものだ。

(U)