米に弾劾デモ「輸出」?
地球だより
先のトランプ米大統領訪韓では「反米」「反トランプ」を叫ぶ過激デモが行われ、参加者が道路上にペットボトルなどを投擲(とうてき)したため晩餐会帰りにトランプ氏らを乗せた車列が予定コースを変更する一幕もあった。彼らの反対理由は北朝鮮への軍事攻撃も選択肢の一つだとするトランプ氏こそが韓半島に戦争危機をもたらしている元凶だ、というものだ。
過激なツイートで状況を悪化させるトランプ氏にも責任の一端はあろうが、危機を煽(あお)っているのは米国ではなく核実験や弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮なのだから、本当に危機を回避したいなら言うべき相手は北朝鮮の独裁者、金正恩氏だろう。しかし、彼らは決して本気で正恩氏を批判しない。だから韓国のこの種のデモは正しくは親北反米デモと呼ぶべきだと個人的には思っている。
今回その親北反米デモの中でも筋金入りと感心(?)させられたのは「訪弾青年団」と呼ばれるグループによる米国遠征デモだ。「訪弾」とは訪米してトランプ氏を弾劾させる運動のことで、昨年の国政介入事件に憤ったろうそくデモの力で朴槿恵前大統領を弾劾に追い込んだ経験を、今度はトランプ氏に反対する米国国民に「輸出」するのだそうだ。幸いメンバーの何人かは米国入国を拒否され、大事には至らなかったようだが。
弾劾デモ「輸出」は国家イメージ低下につながりかねない。恥まで「輸出」することにならないか。
(U)