次期大統領は「共産主義者」?


地球だより

 お世話になった人が明日の公判で有罪になるかもしれない--。先日、知人の韓国人が神妙な面持ちでこう話してきた。聞けばその人は保守系の集まりで、来年末の韓国大統領選で野党系有力候補に挙げられている文在寅(ムンジェイン)氏を「共産主義者」と呼び、先方から名誉毀損(きそん)で訴えられた張本人。知人の予感は的中し、翌日の判決で慰謝料3000万ウォン(約280万円)の支払いを命じられた。

 実はその人、元検事。文氏とは30年来の悪縁だ。1981年、韓国・釜山で社会科学系の大学生らが「読書会」と称して利敵表現物を学習し、国家保安法違反容疑で逮捕された「釜林(プリム)事件」を捜査した地検チームの一人。一方の文氏は被告たちの弁護人の一人だった。

 同じ弁護士仲間には文氏が後に大統領秘書室長として仕えた若き日の盧武鉉氏がいた。盧政権時代、韓国は北朝鮮に過度な融和策で臨み、国内左傾化も大問題になった。

 元検事は慰謝料支払いを不服として控訴したが、実は判決を下した裁判官への不信も募らせている。司法もまた左傾化の例外ではなかったからだ。

 「彼(文氏)が大統領になれば韓国の赤化(共産主義化)は時間の問題」と断言する元検事は、周囲に自分の名誉のために戦っているわけではないと漏らしたという。北朝鮮と隣接する韓国には、国民も信じがたい危うい闇がまだまだ残っているらしい。

(U)