自衛隊との腕力比べ


地球だより

 先日、韓国問題に詳しい日本の大学の先生と話していた時、「自衛隊と韓国軍の各個人の腕力はどちらが強いか」が話題になった。不謹慎な、とおしかりを受けるかもしれないが、決して日韓が戦火を交えるという話ではない。もちろん、しないに越したことはないが、ケンカの実力としてどちらが上かという比較だった。

 2人の結論は一致していた。「そりゃ、韓国軍でしょう」。残念(?)ながら平均すると日本人は韓国人に負けるという見方だ。身長の高さや体形からして既に差があるし、もう何十年も実戦経験がない自衛隊員に対し、時々休戦ラインを越えて実弾が飛んでくることがある韓国軍兵士は鍛えられ方も違うかもしれない。

 ところが、ある自衛隊出身の人から興味深い話を聞いた。日本海で北朝鮮とみられる不審船が領海侵犯し、これを追い払う任務を与えられた新米自衛隊員たちが、最初はおどおどしていたのが、上官から「死をも覚悟し、心を整理しろ」と一喝されると、わずか5分後には別人のようにキリッとした表情で戻ってきて、黙って任務に当たったという。

 戦後、日本は長く「戦わない国」であろうと努めてきたが、実は「戦えるDNA」が今なお若い人たちに受け継がれているようだ。そう考えると、日韓腕力比べも案外、見た目だけでは判断できないと思えてくる。

(U)