チャジャン麺人気衰えず


地球だより

 昼時、近年流行(はや)りの中華料理「マーラータン」(辛口春雨スープ)の専門店はガラガラだったのに、わずか10メートル隣の一般中華料理店は客で超満員だった。マーラータンの店は厨房に本場中国から来ている人を使っている確率が高いが、チャジャン麺などを出す一般店は韓国飲食店も同然だから安全だろうと皆思ったのかもしれない―。

 先日、新聞をめくっていたら、ある大学の先生が寄稿したこんな文章が目に留まった。新型肺炎が猛威を振るう中、「中国」を連想させるものにはどうしても過敏になりがちだが、それでも韓国の国民食ともいえるチャジャン麺の人気は衰えていないことが伝わってきて妙に興味深かった。

 チャジャン麺は中国発祥のジャージャー麺が仁川のチャイナタウンでアレンジされたのが始まりとされる。黒味噌にカラメルを混ぜた甘味のタレが麺の上にたっぷり盛られる。タレを麺に満遍なく混ざるように箸でよくかき混ぜてから食べるのだが、慣れない頃はかき混ぜている途中でタレが服や顔に飛び散ることがよくあった。

 筆者も行きつけの中華料理店に行くと、2回に1回は必ずチャジャン麺を注文する。辛い物が多い韓国で、これを食べる時は少しホッとする。腹ペコで大盛を頼むと、従業員が厨房に向かって「大盛一つ!」と大声で叫ぶ。チャジャン麺だけはメニュー名まで言わなくても暗黙の了解なのだ。やはり不動の国民食と言うに相応しい。

(U)