芸能界は大略、芸を行う芸能人、芸を発表…


 芸能界は大略、芸を行う芸能人、芸を発表するテレビ局などの場、テレビ局などと芸能人を仲介する芸能事務所の3者で成り立っている。

 芸能界も社会の一部である以上、問題が起きることもある。「圧力」の問題で公正取引委員会から注意を受けたジャニーズ事務所、タレントと反社会的勢力との接点の問題で話題になっている吉本興業のケースなどいろいろだ。

 3者が関係し合っているとはいえ、大部分のタレントは芸能事務所に対して立場が弱い。芸能事務所はテレビ局と緊密に結び付いているから、事務所を辞めた芸能人のその後は厳しい。芸能事務所とテレビ局との力関係は微妙だが、全面衝突となればテレビ局の方が強いだろう。

 吉本興業社長の「テレビ局は吉本の株主だから」という発言は「芸能事務所はテレビ局と関係が深いから、タレントは事務所に逆らわない方がいい」との意味だろう。これはこれで真実を物語っている。

 吉本興行がテレビで今回ほど批判されることはなかった。テレビ局が問題化を回避してきた面はあったはずだが、今度は様子が変わった。契約書を交わしていないことにしても、タレントにとっては不利に働く。芸能界は古い体質を残したまま令和の今もあり続けている。

 吉本興業の件は表面化したが、ジャニーズ事務所の方は全く動きがない。どちらがより深刻か。日本における芸能の起源は2000年前にまで遡るが、芸能界には闇の部分が多い。