一党独裁の中国の裁判には沈黙し、民主主義国家の裁判はあげつらう朝日
◆弊害是正の本音忘却
裁判員制度が導入されて10年が経(た)った。殺人などの重大事件の審理に一般国民が裁判官と共に当たるが、なぜこの制度が採り入れられたのか。
新聞には「裁判への参加を通じ、司法に対する国民の信頼を高める目的」(読売19日付社説)とある。だが、これは建前にすぎない。「信頼を高める」は裏返せば、国民の信頼が地に墜(お)ちたということだ。裁判官による量刑と国民感覚の乖離(かいり)、恐るべき遅延裁判。そんな戦後裁判の弊害を是正する。それが本音だが、このことを新聞は忘却しているようだ。
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