息子や市役所職員、警察官などを装って、家に…
息子や市役所職員、警察官などを装って、家に現金がいくらあるかなどを聞き出す「アポ電」。特殊詐欺の手口だが、強盗や殺人へと凶悪化している。
東京都江東区の加藤邦子さん(80)が、アポ電の後に殺害された事件の容疑者3人が警視庁に逮捕された。都内では今年1月と2月、渋谷区の初台と笹塚でも同じような手口で高齢者夫婦を狙った強盗事件が2件起きている。笹塚の事件現場に残された足跡が、加藤さん殺害の現場の足跡と一致。同一グループの犯行とみられる。
息子などを装って現金を振り込ませるなどの特殊詐欺を「振り込め詐欺」と警察庁が命名したのが2004年。注意を喚起するキャンペーンが展開される一方、その手口は変化してきた。
警視庁によると、都内のアポ電など不審電話に関する通報件数が急増しており、昨年は計3万4658件で前年より8747件増え、2年前の2倍。今年は2月までに6368件に上り、昨年を上回るペースという。警視庁はツイッターで入電情報を毎日公表している。
高齢者は不審な電話がかかってきただけで不安になりかねない。警視庁幹部は「留守番電話などに設定し、不審な電話に出ないことが重要」という。
それにしても、こんな事件が続くと、固定電話は使わず携帯だけという高齢世帯が増えてくるのではないか。携帯、スマホは若者を主なターゲットに販売されているが、これからは高齢者のことももっと考えるべきだろう。