テレビの旅バラエティー番組で、芸能人が…


 テレビの旅バラエティー番組で、芸能人が旅先で飲食店を探す場面がある。最近は店員に出演交渉まですることもある。飲食店の場所の情報源は当然地元の人が多く、「そういう店ならありますよ」と教えてくれる。ところが、いざ店へ行ってみると「本日休業」だったというパターンが多い。

 休業という事態に、タレントらはことさら大げさに反応する。それが番組の見せ場にもなっている。芸能人らのガッカリぶりを見ると、番組スタッフは休業を事前に承知していたのでは?と思えることもある。「ヤラセ」はともかく「演出」の可能性は否定できない。

 飲食店であれ他の店舗であれ、人間に休みが必要なのは分かり切った話だ。しかし、ここ数十年の間にスーパーなどで「年中無休」が普及した結果、休業がむしろ特別に感じられるようになった。都市部ほどその傾向が強い。「休業に驚く芸能人」は不思議でも何でもない。

 年中無休の次は「24時間営業」へと進化した。さすがにこれは全店舗ではなく、コンビニが中心だ。これが最近、人手不足の深刻化などで問題になっている。

 「緊急時のためにも、24時間営業は続けてほしい」という声も出ているが、「その必要なし」が圧倒的多数だ。

 セブン-イレブン・ジャパンは、一部店舗の営業時間を短縮する実験を始めるという。加盟店オーナーの負担軽減につなげつつ、社会インフラとしての機能も維持できる道を模索してほしい。