今年もあと3日。澄んだ冬空を背に黄金色に…
今年もあと3日。澄んだ冬空を背に黄金色に輝いていたイチョウの木もすっかり葉を落とし、冬支度を完了させた。冬来たりなば春遠からじ。落ち葉もゆくゆくは腐葉土となって、新しい芽吹きのための養分となる。
毎年繰り返されていることだが、自然の摂理の見事さを思う。年の瀬というのは、忙しく追い立てられる気分の一方、ふと天地の悠久の営みを思ったりする瞬間がある。
年末恒例の「今年の漢字」で「災」が選ばれたが、今年は自然災害の多い年だった。特に7月の西日本豪雨は、12府県で220人を超す死者を出した。かつて梅雨時の豪雨被害は、ごく限られた地域が集中豪雨に見舞われ、土石流などが起きるケースが多かった。しかし、西日本豪雨はこれまでの常識を超えるものだった。
大規模な豪雨被害は、近年は毎年のように起きている。高潮で関西国際空港を冠水させ数日間閉鎖に追い込んだ台風21号に見るように、台風の強大化も近年の傾向だ。
背景には海水温度の上昇、地球温暖化があり、その原因が人間の行為であることは否定できない。
アンチエイジングが言われ、健康寿命の重要性が語られるのは結構なことだ。しかし、人は老いと死から逃れることはできない。大切なのは、その命が結婚・出産を通してつながっていくことだ。そのことが当たり前でなくなりつつある。地球環境や少子高齢化、人口減少の問題では、自然の摂理への畏敬と謙虚さが問われている。