街角にクリスマスツリーが飾られる季節となり…
街角にクリスマスツリーが飾られる季節となり、そのうちおせち料理の広告も目に付くようになるだろう。おせちも、最近は出来上がったものを購入する人が増えてきた。
通販サイト「楽天市場」のアンケートによると、来年の正月におせちを楽しむ予定があると答えた女性の4人に3人が、購入することを考えているという。
かつておせち作りは、女性たちにとって年末の大仕事だった。黒豆一つ煮るにも時間と手間がかかる。正月15日の小正月を「女正月」というのは、年末から三が日の女性たちの苦労をねぎらうという意味がある。
それが、デパートやスーパーあるいは通販サイトで注文すれば、年末の指定した日に冷凍されたものが届けられる。あとは、テレビでも見ながらゆっくりと解凍すればいい。これほど便利なものはない。
おせちはもともと、正月で市場などが休みになることに備えての保存食である。冷凍して届けても風味の変化が少ないということが、消費者の人気を集めたもう一つの理由だろう。また、正月気分を盛り上げる見た目の華やかさなど、プロの料理人の方がセンスが勝る。
そういう意味で、今や息の長いヒット商品になった。市販のおせちでは物足りなく感じる人ももちろんいるだろう。しかし手間暇がかかるということで、おせちを作らなくなりその伝統が廃れるよりも、市販という形でも日本の食文化が継承される方がいいのかもしれない。