トランプ次期米大統領が大統領選後、初めて…
トランプ次期米大統領が大統領選後、初めて記者会見を行った。選挙中はともかく当選後、その過激発言も少しは穏やかになるかと期待されたが、会見の様子を見る限り、簡単には変わりそうにない。
外交的応酬の場では時には荒っぽい表現も必要かもしれない。「中国は経済で米国を完全に食い物にし、南シナ海を要塞化している」。これは事実であり、意外とことの本質を浮かび上がらせていると言える。
しかしいただけないのは、同盟国・日本をロシア、中国、メキシコとともに列挙し、自分が大統領になれば「米国に対してはるかに敬意を払うようになる」。日本は米国に最も敬意を払う国の一つであり、ツイッターで槍玉に挙げられたトヨタ自動車は、米国で13万人を雇用している。
こうした発言を見ても、トランプ氏は日米関係の現実を正しく認識しているとは言えない。そこで重要になってくるのが、小紙の新春座談会で米シンクタンクの客員研究員である加瀬みきさんが強調したように、日本側がきちんとプレゼンし事実を明確に伝えること、である。
「尊敬される米国」「偉大な米国」とトランプ氏は言うが、自由と民主主義の守り手としての米国だからこそ、世界各国が尊敬してきたのだ。ただ力を振りかざし、脅し文句を連発して、俺に敬意を払えと言っても、それは逆効果しか生まないだろう。
そのことも日本は、トランプ氏にうまくプレゼンしていく必要があるのではないか。