日本の三大名城の一つとされる熊本城は国の特別史跡で、櫓や城門や塀は国の重要文化財。戦後再建された天守閣は黒を基調にした風格あるもの。大胆で精緻な石垣はＮＨＫ大河ドラマの舞台になってきた。

　だが４月１４日に起きた熊本地震で、この名城は甚大な被害を受け、立ち入り禁止となった。その復興を支援しようと先日、東京のサントリーホールで「よみがえれ、熊本城　復興支援チャリティコンサート」が開かれた。

　司会はＴＢＳの出水麻衣さんで、出演は神楽坂女声合唱団、マリアセレンさん、ル・ヴェルヴェッツ、ＪＫフィルハーモニー、フルートの日野真奈美さん、そして歌手の加藤登紀子さん。

　バラエティーに富んだ出演者たちだ。神楽坂女声合唱団の団長でデザイナーのコシノジュンコさんは「熊本城の崩れた姿を見て心が痛い。少しでも力になろう」とコンサートを企画した意図を語る。

　２時間の熱演、熱唱で、聴衆は大きな感動に包まれた。会場に熊本県民を代表して聴きに来ていたのは、県のマスコットキャラクター「くまモン」と、県教育長の宮尾千加子さん。

　くまモンは、感動と感謝の気持ちからコシノさんに抱き着いて離れなかった。宮尾さんは「天守閣の修復は３年から５年、石垣は２０年かかるとみられていますが、復興の過程も見ていただけるようにしたい」と報告。全収益金と義援金の目録が手渡された。