「柔道という競技の素晴らしさ、強さ、美しさを…


 「柔道という競技の素晴らしさ、強さ、美しさを見ている皆様に伝えられたんじゃないかな」とリオデジャネイロ五輪柔道男子73キロ級で金メダルを獲得した大野将平選手。競泳の萩野公介選手に続き、一番高いポールに日の丸が上がり、君が代が流れた。

 決勝まで順当に勝ち上がった大野選手は、決勝では足技でルスタム・オルジョフ選手(アゼルバイジャン)に一本勝ち、名実ともの強さを世界に示した。常々「一本で勝つ」と言っていたように、正攻法の柔道を見せてくれた。

 「心技体で勝ることを心掛けた」とも。それが、自然体で美しい柔道につながったのだろう。初戦から安心して観戦でき、これぞ日本の柔道、と清々した思いにさせてくれた。

 一方、4位で決勝に進出した体操男子団体は、各選手が予選とは見違えるような伸び伸びとした演技を行い、念願の金メダルを獲得した。予選で連発したミスを素早く修正したのはさすが。内村航平選手が公言した「最強チーム」の面目躍如だった。

 団体競技は1人が完璧な演技をしてもトップを保てない。前の選手が失敗すれば、後続はやきもきもするだろう。しかし演技し終えた選手をコーチ、選手たちがねぎらう姿に、互いの厚い信頼感を垣間見たのは気流子だけでなかろう。

 有言実行で、プレッシャーは大きかったはず。月並みだが、最後は、やるだけのことはやったとふっきれる経験や練習量の豊富さがものを言ったように思う。