<大寒と敵のごとく対ひたり> 富安風生…
<大寒と敵のごとく対ひたり> 富安風生。立冬(昨年11月8日)から年明けまでの今冬は異常暖冬だったが、寒の入りを告げる先月6日の小寒からは例年通りの寒い冬となった。
一年で最も厳しい寒さの時期をいう先月21日の大寒からは、その節気通りの大寒波が日本列島を襲った。8人が死亡、全国で約610人がけがをした24、25両日の大雪は鹿児島・奄美大島で115年ぶりの降雪を記録。九州各地で水道が断水し、陸空の交通機関がまひするなど生活面にも混乱をもたらした。
それでも約1カ月の「寒の内」は節分まで。月をまたいで立春は明後4日、その前日が明日の節分である。節分は四季を分ける日で、かつては立春、立夏、立秋、立冬の4回あった。
それが立春から春が立つとともに年が変わるとされ、節分もいつの間にか春の節分だけになり、一年最後の大晦日となっていったという。
節分の“豆撒き”は邪気を避けるという平安時代の陰陽道の行事などが簡略化されたもの。春を迎える前の祭りは、家の恵方の部屋の前に、霊力がこもるとされる豆(魔滅=魔の目が滅する)を撒いて邪気を祓うとしたことに由来する。
「福は内、鬼は外」の声は冬ごもりの閉塞感を打ち破って、大地に少しずつのぞく希望にあふれる春を待ち心躍らせる人々の讃歌に聞こえる。<幾光年太古の光いまさして地球は春をととのふる大地> 皇后陛下