東京から南に1000㌔、小笠原諸島に…


 東京から南に1000㌔、小笠原諸島に日本の新しい領土が誕生するかもしれない。海上保安庁によると、西之島の500㍍沖に海底火山の噴火によって出現した陸地は、長さ400㍍、幅200㍍、高さ約30㍍に“成長”している。

 そもそも西之島が、1973年から1年2カ月ほどの噴火活動で生まれた新島とくっついて今の形になった。新しい島が誕生すれば領海も広がる。

 西之島は4000㍍級の海底火山の噴火で頂上部分が盛り上がってできた島という。伊豆大島や三宅島をはじめ伊豆諸島も、海底火山の頂上部分なのだ。しかし普通の地図では、そこまでは表現されていない。

 そこで提案したいのは、中学や高校の授業で使う地図帳に、日本周辺の海底地形を立体的に表現した地図を載せることだ。それを見れば、日本海溝や南海トラフのプレートの沈み込みが一目で理解できる。巨大地震を発生させるメカニズムをより具体的にイメージでき、防災教育の土台となるだろう。

 この海域には、メタンハイドレートや海底熱水鉱床などの豊富な海底資源が眠っていることもしっかりと教えてもらいたい。プレートの活動が地震の原因であるばかりでなく、様々な恩恵をもたらしていることも知ることができる。

 日本の領土と、合わせて世界6位の広さを持つ領海と排他的経済水域を示す地図の掲載は言うまでもない。海洋国家日本を理解させるための必須条件である。