東京地方では一昨日、積雪のために電車の…


 東京地方では一昨日、積雪のために電車のダイヤが大幅に乱れ通勤客が混乱。京王線の最寄りの駅では、構内に入り切れず、外にも60㍍ほどの列ができた。

 都心へ続くどの路線も似たような状況だったという。通勤時は発車の間隔が2~3分といった所もあるが、精密な運行がいったん切れると収拾がつかなくなってしまう。首都圏の足腰の脆(もろ)さを露呈した。

 もちろん自然の力には抗せざるところがあり、突然の降雪には、安全を第一に電車の運行も受け身になるしかない。自然災害時における危機管理の機能は各社ともかなり向上してきたが、今回のような混乱を回避する手立てはないものか。

 例えば台湾では、大きな台風が予想される時など、ローカルバスの翌日の運行についてバス各社が協議し、その日の夜10時に発表するようになっている。会社や住民はそれに基づいて予定を立てることができる。

 国も事情も違うが、東京でも運行会社にこの種の決断があってもいい。あるいは、もっと柔軟な情報ネットワークを敷き利用の便に供するべきだ。これほど情報が行き交う時代に、それを都市機能の維持に使わない手はない。知恵の出しどころだろう。

 ただこの日、会社が引けて夜、新宿の末広亭をのぞくと、満席。お目当ての柳家小三治師匠の出演とあって、この時とばかり繰り出した人もいるのだろう。ここいらはいかにも都会人のしたたかさ、と言える。