新聞の中には、今年の10大ニュース(国内)の…
新聞の中には、今年の10大ニュース(国内)のトップに挙げたところもある。昨年のノーベル物理学賞を赤崎勇氏ら3人の日本人が受賞したのに続いて、今年も物理学賞を梶田隆章・東大教授、医学生理学賞を大村智・北里大特別栄誉教授が受賞したことが日本中をパッと明るくしたことは間違いない。
ノーベル賞の美酒に酔うシーズンは終わったが、今後も受賞を続出させるための分析から引っ張り出したヒントを提示した興味深い論考がある。評論家の八幡和郎氏の「大学改革でノーベル賞続出!」で、保守論調の月刊誌「WiLL」(2月号)に掲載されている。
2000年以降の物理・化学・医学生理の科学3賞受賞者について、八幡氏は国籍ではなく「どこの国の大学に入学したか」で順位付けした。
それによって教育体制の評価をすると、米国(54人)、英国(16人)に続いて日本(15人)は第3位。以下、独(8人)、露(7人)、仏(6人)となる。
明治新政府が「江戸時代の教育システムをあっさり捨て去って、欧米でも先進的な教育体制を輸入した」結果である。中等教育より小学校による国民皆教育の方を最優先した英断が、今日につながったと。
さらに「日本の公的な教育システムは、しばしば点数至上主義で画一的で独創的な人材が育たないといわれるが、それが間違い」だと断ずる。24人の日本人受賞者すべてが国立大学卒業生だからとの評価である。