カイ・レイニウスさん「楽しんでもらえた」
大村さん世話役を妻と二人三脚で、妻豊子さんは長野・原村出身
今年のノーベル医学生理学賞を受賞した大村智・北里大特別栄誉教授(80)がストックホルムに滞在中、世話役を務めたカイ・レイニウスさん(69)が時事通信社の取材に応じ、「一連の行事を楽しんでもらえて良かった」と話した。
在日スウェーデン大使館に勤務していたカイさんは、日本語が堪能。日本人受賞者を担当するのは大村さんで7人目で、今回も長野県原村出身の妻豊子さん(59)と二人三脚で世話役を務めた。
心掛けたのは「楽しんでもらうこと」。荘厳な授賞式や華やかな晩さん会に、受賞者が緊張せず参加できるよう配慮した。多忙なスケジュールの合間に、絵画に造詣の深い大村さんが美術館訪問を希望した際は、素早く手配して喜ばれた。
1週間を共に過ごした大村さんを「思いやりがあり、謙虚な人」と振り返る。一日の行事を終えてホテルの部屋に送ると、いつも「ありがとうございました」と深々とおじぎをしてくれたという。
豊子さんは大村さんの長女育代さん(43)を担当。大村さんが「遠慮がち」と話す育代さんが、徐々に積極的になる様子を目にして「お世話して良かった」と感じた。
カイさんは在日大使館時代に豊子さんと知り合った。温かな人柄で受賞者から世話役の指名を受けることもあり、2013年にスウェーデン外務省を退職した後も、特別に任に就いている。(ストックホルム時事)