3D――すでにお馴染みになったが、3次元の…


 3D――すでにお馴染みになったが、3次元の画像・映像のこと。先日、試写会で東京国際映画祭の特別招待作品「エベレスト3D」を見たが、手に汗握る映像効果はさすが。

 一言で言えば、臨場感だ。もちろん映画だけでなく、3Dの技術は、さまざまな分野で利用されるようになった。その一つが今後、困難が予想される原子力発電所の廃炉の実証施設。

 日本原子力研究開発機構の「楢葉遠隔技術開発センター」(福島県楢葉町)の研究管理棟では、3D映像で原子炉建屋内を再現し、作業員の訓練や作業の道筋の検討などに使用することができる。

 この施設が報道陣に公開されたが、「建屋内は暗い。ヘッドライトで照らしたときにどう見えるのか、事前に確認できる」と担当者。このほか、建屋内調査に使うロボットを遠隔操作して異変に素早く対応する様子を公開した。

 廃炉問題は、東京電力福島第1原発事故をきっかけに大きな課題として浮かび上がったが、わが国の高い技術、素早い対応には目を見張る。まさに「毒を変じて薬となす」だと言えよう。

 「放射線の取り扱いなどは実際にやってみることが大事で、その点、原子力機構にはホットラボなどしっかり対応できる設備があるので、果たす役割は極めて大きい」(同機構広報誌「未来へげんき」37号)と同機構の児玉敏雄理事長。3Dなどを駆使し、現場での困難解消を目指す。