動物写真家・前川貴行さんの写真展「GREAT…


 動物写真家・前川貴行さんの写真展「GREAT APES」が東京・赤坂の富士フイルムフォトサロンで開かれている(4月9日まで)。副題は「森にすむ人々」でオランウータン、ゴリラ、チンパンジー、ボノボを撮影した集大成。

 先週末には写真家・立木義浩さんとのトークイベントや出版記念会も開かれた。立木さんは、前川さんの作品を見て声を掛けるようになり、二人の交流が始まったという。二人のジャンルは違い、立木さんの対象は人間。

 自分のことを「前川先生の友人」と言い、またこの友人のことを親しみを込めて「ゴリラ」にたとえ、上げたり下げたりして沸かせた。「森にすむ人々」というように、前川さんは類人猿の友なのだ。

 同名の写真集(小学館)でゴリラのことを「気性は穏やかで優しく、ファミリーを大切にし、子供たちは笑いながらふざけ合い、シルバーバックのオスは子煩悩で、瞳の奥に思慮深ささえたたえている」と記す。

 ハクトウワシやシロクマなどを撮ってきた前川さんの評価が高まったのは、第1回日経ナショナルジオグラフィック写真賞のグランプリに選ばれ、2013年6月に米国・ニューヨークで個展を開いてから。

 同賞を創設した伊藤達生さんは「世界で飛翔してもらいたいという賞なので、手の届かない人になってもらって嬉しく思う」とあいさつ。受賞作もウガンダの密林で撮影したチンパンジーだった。