ラブジョイ彗星の尾、分単位で大きく変化
国立天文台などの研究チームがすばる望遠鏡で観測
国立天文台などの研究チームは5日までに、2013年末に太陽に最接近したラブジョイ彗星(すいせい)をすばる望遠鏡(米ハワイ島)で観測し、彗星から伸びる尾が分単位で大きく変化する様子をとらえたと発表した。彗星の尾を短い時間間隔で観測した例は少なく、尾のでき方の解明につながるという。論文は米天文学誌アストロノミカル・ジャーナルに掲載された。
氷とガス、ちりでできた彗星の核は太陽接近時に熱で蒸発。ちりが作る広がった尾と、太陽から吹き付ける粒子(太陽風)で流されて細長く伸びるイオンの尾をつくる。
国立天文台の八木雅史助教らは、13年12月、すばる望遠鏡で彗星の核から伸びたイオンの尾を観測。10分足らずの間に尾の太さが激しく変化する様子をとらえた。尾の内部では、イオンのかたまりが、秒速20~25キロの速度で核から遠ざかっていく様子も分かった。
八木助教は「彗星の位置により、太陽風の条件も異なる。いろいろな彗星を観測し、尾が伸びる時に何が起きているのか、条件を調べたい」と話している。
ラブジョイ彗星はオーストラリアのアマチュア天文家テリー・ラブジョイさんが発見した数々の彗星の通称で、今回の彗星は13年9月に発見された。