タカタ製エアバッグの欠陥という品質問題で…
タカタ製エアバッグの欠陥という品質問題で、主力車に搭載したホンダなども、全米へのリコール拡大を表明せざるを得なくなり、その対応におおわらわだ。
エアバッグは車が事故などで衝撃を受けると、内部のガスが外へ噴出し膨らみ、乗っている人のショックを緩和する装置。ところが作動時に異常に強い圧力で膨らみ、金属部品が飛び散って死傷するなどの事故が問題になった。
本来、まさかの時に一命を守るもので頼りがいのある装置だ。その一方で、事故自体がたいてい予想外の出来事で、どんな衝撃も吸収できるとは限らないようだ。耐久性は十分チェック済みだろうが、作動時の不確定要素は少なくないと見る必要がある。
この問題などの影響で、ホンダは2015年3月期に3年ぶりの営業減益に陥る見通しだ。今後はエアバッグの調達先を分散する方向だが、いかにも不本意だろう。車で使用されるエアバッグ技術の在り方に向き合い、事態を収拾していくことが求められる。
消費者は限りなく快適さや安心などを求め、メーカーはそれに応えようとしのぎを削っている。しかし各パーツばかりに目がいけば、その車全体の安全性を見極めにくくする場合がある。
またわが国のメーカーは、不具合があればその都度修理し、改良を重ねて技術の信頼性を保ってきた。今回のエアバッグ問題は、こうした補修の仕方が通じない点もやっかいだ。