長野-金沢間の延伸開業(来月14日)まで…


 長野-金沢間の延伸開業(来月14日)まで1カ月を切った北陸新幹線の前人気が熱を帯びている。東京-金沢間を最速2時間28分で結ぶ「かがやき」の一番列車の切符(東京、金沢発とも)は、この14日午前10時発売からわずか25秒で完売した。

 全体の予約状況も「盛岡-新青森(東北新幹線)間の延伸開業時の10倍の勢い」(JR東・原口宰常務)。今年は間違いなく北陸ブームに沸きそうで、首都圏からの観光客呼び込みに注力する石川、富山など沿線自治体や観光協会は、旅行業者や都民らへのPRに余念がない。

 積極的な観光キャンペーンを展開するのは、沿線の観光地ばかりでない。金沢から在来線で40分ほどの福井県北部にある、あわら市もその一つ。都内ホテルで先ごろ観光関係者らを招いて“「美し国越前」あわら・勝山フェア”を催した。

 あわら市は昨年は単独で、今年は恐竜化石で知られる隣の勝山市とタッグを組んでのフェア開催。人口3万人のあわら市は関西では北陸有数の温泉地と知られていても、関東での知名度はまだこれから。

 「幸福度日本一なのに、(福井県もあわら市も)日本地図から説明しなければならない。金沢のむこうに素晴らしい温泉がある。開湯130年。温泉旅館の女将が市の最大の観光資源」だと橋本達也市長。

 11人の女将は全員が日本酒ソムリエの資格を持つと売り込む。立地で優位に立つ新幹線沿線観光地もうかうかできない。