東京都内の繁華な場所を歩いていて、…


東京都内の繁華な場所を歩いていて、最近外国人観光客が多くなっていることは実感する。政府観光局によると、今年1~11月に日本を訪れた外国人数(推計値)が1217万7000人になった。年間で1300万人を超える見込みという。

 初めて1000万人を超えたのが昨年。2020年に2000万人を目指す政府も「ここまでは想定していなかった」(久保成人観光庁長官)というくらいの伸びである。

 しかしその旅行先は、東京から富士山を経て京都、大阪に至る「ゴールデンルート」が6割以上を占めるという。2000万人達成には、訪日客をいかに地方へ誘うかが肝心だと、政府や旅行業者は見ているようだ。

 9月に東京・有明で開かれた旅行博のシンポジウムで、オーストラリアのジョン・オサリバン観光局長が「日本の地方には多様な魅力がある。それをいかにアピールできるかが問題」と強調していたのを思い出す。旅心を誘うのは、いまだ見ぬ地へのロマンであり憧れである。情報発信とイメージづくりが鍵だ。

 ただ、初めて日本を訪れた外国人が「ゴールデンルート」を選ぶのは当然だろう。そんな人たちが地方にも足を延ばすには、滞在日数を増やすか、二度、三度と訪ねるリピーターになってもらわなければならない。

 それには、やはり「おもてなし」が重要だ。「観光立国」すなわち「おもてなし立国」。「おもてなし」にもっと磨きをかけたい。