研究の最前線「光るシルク」に「光る花」
特別展「ヒカリ展 光のふしぎ、未知の輝きに迫る!」
東京・上野の国立科学博物館で特別展「ヒカリ展 光のふしぎ、未知の輝きに迫る!」展が開催されている(2015年2月22日まで)。 光は身近な存在だが、その実体はわかりにくく、物体に反射されてはじめて見えてくる。多くの科学者が謎を解き明かそうとしてきたが、その本当の姿がわかるのは20世紀に入ってからだ。
特別展では「光」を広い意味での「電磁波」として扱い、物理、化学、生物、地学など多様な分野と関連して、光の研究史、天体光マップ、特殊なカメラなど、さまざまな事象を統一的に考えようとする。
なかでも注目を集めているコーナーが幾つかある。その一つが「3Dオーロラシアター」だ。オーロラの最新観測成果を3Dで上映するとともに、太陽と地球磁気圏の関係やオーロラの立体構造を紹介している。さらには蛍光タンパク質研究の最前線にある「光るシルク」や、日本最大級の蛍光鉱物類の展示、そして世界初公開となる「光る花」が紹介されている。
これは海洋プランクトンから単離した蛍光タンパク質を、遺伝子組み換えの最新技術と合わせて「夏スミレ」に導入することで、「光る花」の開発に成功したもの。花が光る仕組みとその利用法について解説している。
同展には青色LEDが多数使われていて、今年度ノーベル物理学賞を受賞した日本の3人の研究者の研究成果がなければ実現しなかったもの。(岳)