国土地理院、次世代望遠鏡の試験観測開始式


「超長基線電波干渉法」、日本の位置を1ミリ単位で測定

国土地理院、次世代望遠鏡の試験観測開始式

国土地理院が設置した次世代型電波望遠鏡による試験観測開始式=28日午前、茨城県石岡市

 国土地理院が茨城県石岡市に設置し、地球上の日本の位置を1ミリ単位の精密さで測定できる次世代型電波望遠鏡による試験観測の開始式が28日行われた。この望遠鏡を含めた国際的な観測網により、プレート変動や海水面変化などの現象解明や、全地球測位システム(GPS)の精度向上につながると期待されている。

 次世代型電波望遠鏡を使った観測方法は「超長基線電波干渉法(VLBI)」と呼ばれ、世界各地の複数の望遠鏡で、非常に遠い天体から届く電波を同時に受信し、電波の届く時間差によって精密に測定できる。従来の観測網では位置の測定は1センチの精度が限界だった。

 次世代の観測網に基づく望遠鏡の設置は米国、ドイツ、スペインに次いで世界で4番目。5年後までに計21カ国が順次参加し、連携して測量を行う予定。