日立造船、杜仲の実からバイオ素材を開発


衝撃に強いゴルフ用品を発売、将来は自動車や介護用具に活用

日立造船、杜仲の実からバイオ素材を開発

日立造船などが、杜仲(トチュウ)の実を使ったバイオ素材を開発した。衝撃に強く、ゴルフ用品や自動車への活用が見込まれる=7日午後、東京都千代田区

 日立造船はこのほど、中国原産で血圧などに良い効果がある茶として有名な杜仲(トチュウ)の実から、衝撃に強いバイオ素材を開発した。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業で、大阪大学などと共同研究し、実用化にめどが付いた。硬くも軟らかくも加工でき、来春にも、ゴルフ用品のキャスコ(香川県さぬき市)が、新素材を使った新商品を発売する予定。将来的には、衝撃への強さを生かし、自動車や介護用具への活用も見込んでいる。

 開発したのは、バイオ素材でつくる「トランスポリイソプレン」と呼ばれる物質。ゴムやプラスチックの一種で、通常は石油が原料だが、中国の農園で育てた杜仲の実からつくることで、大気中の二酸化炭素を吸収する植物に置き換われば、環境への負荷が減ると期待される。

 同社によると、代表的なバイオ素材であるポリ乳酸よりも耐衝撃性が26倍高いという。日立造船は、新素材の事業を長期的には100億円事業に育てたい考えだ。