「羽田への足」競争厳しく、乗降客数が低迷
東京モノレール50周年迎える、新型車両導入などで巻き返し
東京モノレールが17日、開業50周年を迎えた。首都圏の玄関口である羽田空港と都心部を結ぶ足として親しまれているが、競合する京浜急行電鉄に押され、乗降客数はピーク時の7割と低迷している。羽田空港は2020年の東京五輪までに発着回数が増加し、都心部との往来も増える見通しで、乗客の争奪戦が激化しそうだ。
東京モノレールの乗降客数は、1978年の成田空港開港で一時伸び悩んだが、97年度には約6520万人とピークに達した。しかし、98年に京急が旅客ターミナルの地下に乗り入れると激減、近年は4500万人前後で推移している。
巻き返しを狙う東京モノレールは、17年ぶりの新型車両「10000形」を今年7月導入した。大型荷物の置き場を拡充し、4カ国語表示の液晶画面も設置。増加が続く訪日観光客の利便性に配慮した。
東京モノレールは国土交通省の有識者会議に対し、10年をかけてJR東京駅まで延伸する計画を提示。一方、親会社のJR東日本も、東京駅や新宿駅と羽田空港を直結する新線建設を打ち出した。実現すればグループ内での競争となるが、モノレール浜松町駅の山野道彦駅長は「沿線の風景を楽しめるモノレールは、早く目的地に着く列車とすみ分けられる」と話している。