W杯決勝トーナメント期間中にラマダン
どうするイスラム教の選手
決勝トーナメント1回戦が始まったW杯で、28日に迎えたイスラム教の断食月(ラマダン)が話題になっている。基本的に日の出から日没までは飲食ができず、午後1時開始の試合や高温多湿の会場もあることから影響も懸念されている。
ロイター電によると、16強でイスラム教の選手がいるのはフランス、ドイツ、スイス、ベルギー、アルジェリア、ナイジェリア。中でもアルジェリアは、代表選手の大半が旧宗主国のフランス生まれとはいえイスラム教国家。ハリルホジッチ監督は初の16強を決めたロシア戦後の会見で「サッカーの話をしよう」と露骨に話題を避けた。
国際サッカー連盟(FIFA)の医務部長は「大掛かりな調査をした。ラマダンを厳格に実行しても選手の身体能力は落ちない」と言う。ラマダン初期は筋肉量が減りやすく脱水症状にも注意が必要とする専門家もいるが、集中力が研ぎ澄まされてむしろ能力が上がるとの見方もある。
2年前のロンドン五輪でも大会中にラマダンが重なって議論を呼んだ。FIFAによると、スポーツ選手は免除を求めることや、別の時期に実行することが多いという。ドイツのエジルは既に、ラマダンを回避することを明らかにしている。(リオデジャネイロ時事)