巨人の代打・横川、移籍後初のサヨナラ打
強い気持ちが結実、「自分で決めよう」と存在感示す
延長十回無死一、三塁。代打で登場した横川は「大したバッターじゃないから、歩かせないで」と願った。
思い通り、西武バッテリーは勝負に来た。1ボールから豊田の浮いた変化球を捉え、左翼へサヨナラ打。右拳を突き上げて一塁まで走ると、駆け寄った仲間に水を掛けられ、びしょぬれになった。
楽天から移籍してきた昨年は、けがで1軍出場はなし。「1年後にまさかここにいられるとは思っていなかった。どこに当たったか、どの球種を打ったかも分からない」と声を上ずらせた。
先月15日に1軍昇格。24日のロッテ戦で1号、6月4日のソフトバンク戦では3点適時打を放った。この日も調子の良さを買われての起用だった。
今季の先発出場は2度だけだが、試合に出られることがうれしい。ベンチ裏で投手が変わるたびにデータを頭に入れて出番を待ち、「自分で決めよう」と打席に向かった。巨人では初めてとなった殊勲打は、強い気持ちが結実した一打だった。