常磐線の広野-竜田間、8・5キロ運転再開


避難指示区域で初めて

常磐線の広野-竜田間、8・5キロ運転再開

避難指示区域で初めて鉄道運行が再開された、JR常磐線の竜田駅で下車する乗客=1日午前、福島県楢葉町

 JR東日本は1日、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故により運休していた常磐線広野(福島県広野町)-竜田(同県楢葉町)駅間(8・5キロ)の運行を再開した。原発事故による避難指示区域での鉄道再開は初めて。

 ほぼ全域が避難指示区域に指定されている楢葉町の松本幸英町長が先月、「来春の帰還を目指す」と表明したことを受けた。再開により、避難者の多い都市部と、日中の立ち入りが可能な楢葉町の同区域が直結された。

 午前9時24分、住民ら約160人の乗った電車が竜田駅に到着。家族と一緒に乗車し、震災後、初めて自宅に戻るという坂本知優くん(7)は「楢葉に電車で帰ってこられてうれしい」と笑顔で話した。

 同町では2日に役場機能の一部を元の庁舎へ戻すなど、帰還の準備が進む。JR東は、住民や町職員、復興工事の関係者らの利用を見込んでいる。