多くを背負いブラジルへ
香川、4年前の雪辱を
朗報がプレミア・リーグでの悔しい思いをしばし忘れさせた。「小さい頃から、夢見ていた。楽しみたい」。4年前は落選し、破れたW杯出場の夢。晴れてメンバー入りした香川は、1カ月後に迫った大舞台を思って目を輝かせた。
南アフリカ大会には、サポートメンバーとして同行。「南アフリカでは悔しい思いをした」。1次リーグを突破したチームの歓喜の輪を外から眺める悔しさは、並大抵ではなかった。
その思いを胸に、ドイツへ渡ってドルトムントで2連覇。昨季からは世界屈指のビッグクラブであるマンチェスター・ユナイテッド(イングランド)に移籍し、1年目で優勝を味わった。世界のトップレベルで4年間戦い続けた日本人は、香川しかいない。
今季は定位置を確保できず、公式戦ノーゴールに終わった。その苦しみも「精神的なものなど学ぶことはたくさんあった」と今は振り返れる。さまざまな経験が、W杯で躍進を目指す日本には大きな力になるはずだ。
落選した細貝(ヘルタ)からは、さっそく激励の連絡を受けたという。その悔しさを、香川はもちろん知っている。仲間の思いと多くの期待を背負い、ブラジルへ旅立つ。