袴田巌さんVサインで登場、健在をアピール


再審決定報告集会に出席、霞が関の弁護士会館で

袴田巌さんVサインで登場、健在をアピール

再審開始決定報告集会に出席した袴田巌さん(左)。右は姉秀子さん=14日午後、東京・霞が関の弁護士会館

 1966年の「袴田事件」で死刑が確定したが静岡地裁で再審開始が認められ、釈放された袴田巌さん(78)が14日、東京・霞が関の弁護士会館で開かれた報告集会に、姉の秀子さん(81)とともに出席した。袴田さんはVサインをしながら登場し、会場を沸かせた。

 白地のジャケットに黒いズボン姿の袴田さんは、しっかりした声で持論のようなものを語り、「どうかよろしくお願いします」と話した。秀子さんは「拘禁症状がひどい。せめて半分くらいは自分に戻ってくれたらいいと思っている」と述べた。

 袴田さんは東京都内の病院で療養中で、釈放されてから公の場に姿を見せるのは初めて。約5分後に退席するまで、何度もVサインで健在をアピールした。

 弁護団によると、病院には秀子さんや支援者がたびたび面会に訪れ、近所を散歩したり、花見をしたりしているという。

 西嶋勝彦弁護団長は、冤罪(えんざい)を防ぐためには全証拠開示や代用監獄廃止、無罪判決や再審開始決定への検察官の上訴禁止が必要だと主張。「(それが実現しなければ)袴田さんが何のために48年間体を張って訴えてきたか分からない」と述べた。