マスターズゴルフ、勝機を捉えたワトソン
2度目のVに歓喜
ワトソンの勝負勘は研ぎ澄まされていた。前半は同組のスピースを2打差で追う場面もあったが慌てず、「流れが来るのを待っていた」。パー5の8番で3打目のアプローチを50センチにつけ、9番は3メートルのスライスラインを沈めて連続バーディー。この2ホールで連続ボギーをたたいたスピースに並び、抜き去った。
2打のリードで迎えた後半はミスを抑えて手堅くパープレー。3打リードの17番で1メートルのパーパットを沈めると、左手に強くこぶしを握り、2度目の栄冠を確信した。
優勝を決めると、18番グリーンで涙ぐんだ。2012年のマスターズでプレーオフを制したときには、母親と抱き合ってうれし泣きした。「今回は妻と子供が待っていた」。2年前の大会前に養子に迎えていたカレブ君が今回はコースに。再び頂点を極めた父は、最愛の息子を抱き上げて歓喜に浸った。
「前回の優勝より、今回の方がずっと楽だった」。表彰式で前回覇者のスコットからグリーンジャケットを着せてもらう姿は、戦いぶり同様、実に堂々としていた。(オーガスタ時事)