鉄人玉鷲、最年長37歳が大関正代を圧倒
「やってやる」迷わず頭から突進、三役返り咲きを宣言
相手は過去4連敗していた大関正代。それでも玉鷲に、迷いも気後れもなかった。「やってやる」と心を定め、頭から勢いよく突進した。
2本差されかけたが、今場所はよく手が伸びる。すぐに突き放して馬力で圧倒。一方的に攻めて「自分の相撲が取れてよかった」と、得意そうな表情を浮かべた。
幕内出場1100回の節目に到達。「数にはこだわらない。楽しく相撲を取るだけ」と言うが、初土俵から休場がないことには自負がある。幕内最年長の37歳は、みっちり基礎運動に取り組んで頑丈な体をつくり上げた。
むら気のある性格だったが、なお成長を続けている。口うるさく指導してきた師匠の片男波親方(元関脇玉春日)は、最近になって本人の自覚に委ねるようになった。「進むのか、立ち止まるのか」という師匠の短い問い掛けが玉鷲の心に響く。
東前頭3枚目で上位を脅かす今場所。3年前の初場所で初めて賜杯を抱いている。その年以来となる三役返り咲きが視界に入り、「いきたいですね。頑張る」。力強く宣言してみせた。