カーリング日本女子、北京五輪出場決める
我慢強く勝ち抜く、試練乗り越えつかんだ夢舞台の切符
勝利が決まると、メンバーは両手を広げて笑顔で肩を寄せ合った。そして、涙がこみ上げる。ロコ・ソラーレの日本女子が幾多の試練を乗り越え、再び夢舞台の切符をつかんだ。吉田夕は「ようやく私たちが望んでいた舞台に戻れる。うれしい」と目を潤ませた。
前日は勝てば五輪決定だったトルコ戦に敗れ、選手は「ショックだった」と明かす。この日のテーマは「気合と根性」。3-3で迎えた第5エンド。複数失点のピンチだったが、藤沢が最終投で相手の石2個をはじき出し、投げた石を円心の一番近くに残す好ショットで2点を奪った。不利な先攻で迎えた5-3の第7エンドは円内に石を集めてミスを誘い、2得点。平昌五輪準決勝で屈したライバル韓国を1次リーグに続いて破った。
平昌で銅メダルを獲得後は重圧に押しつぶされかけた。吉田知は「もう強くなれないのではないか、という不安や恐怖心があった」と言い、今夏に辞めることも考えたと明かす。9月の国内五輪代表決定戦は2連敗からの3連勝。全員で支え合い、逆境をはねのけた。
今秋のカナダ遠征とスイス合宿で身に付けたのが、「我慢スタイル」(鈴木)。前半は無理に大量得点を狙わず、最大の強みである密な情報共有でアイスの状態を把握した中盤以降に突き放す。今大会も緊迫した接戦の連続を勝ち抜いた。
メンバーは平昌の決勝を観戦しながら言葉を交わした。「悔しい」「あの場に立ちたかったね」。新たに掲げた目標は「世界一」。藤沢は「世界と戦える実力まで上がってこられた」ときっぱり言った。頂点を見据え、北京へ向かう。(レーワルデン時事)