すすけた上半身、窓から助け求める女性の姿


大阪ビル火災現場は騒然、「ショックで動悸激しく」

すすけた上半身、窓から助け求める女性の姿

火災があったビルで消火活動をする消防隊員ら=17日、大阪市北区(市民提供)


 
すすけた上半身、窓から助け求める女性の姿

クリニックの見取り図(4階)

 大阪市北区の繁華街・北新地で17日に起きたビル火災で、27人が心肺停止状態となり、24人の死亡が確認された。立ち上る煙に、窓から身を乗り出して助けを求める女性の姿。上半身が黒くすすけたまま次々と搬送される人々-。消防、救急隊員らによる懸命の救助、手当てが行われ、現場は騒然とした。

 現場はJR大阪駅の南約400メートルにある8階建て「堂島北ビル」。火元の4階に入居する心療内科クリニックで火を消し止めた後も、消防隊員が活動。周辺の路上ではストレッチャーに乗せた負傷者を救急隊員らが慌ただしく搬送していた。

 焼き鳥店の40代男性従業員が目撃した搬送者は、救命措置が施されたのか、上半身がはだけていたという。男性は「上半身はすすけて黒くなっていた。それを見てショックで動悸(どうき)が激しくなった」と話した。

 近くで働く男性(47)も「20人ぐらいが助け出されていたが、ぐったりしていた。かわいそうだった」とショックを隠しきれない様子。この直前には6階から助け出される女性の様子も目撃した。男性は「煙がものすごかった」と話し、撮影した動画には、窓から噴き出す煙を避けようとして身を乗り出す女性を、消防隊員が放水しながらはしご車で近づき救助する様子が映っていた。

 救出の様子を見守っていたという会社員の女性は午前10時15分ごろ、火災に気付いた。「15~20分後には火や煙の勢いが強くなった」と話した。はんこ店に勤める篠崎恵子さん(67)も「灰色の煙がすごくて、ハンカチで口をふさぐほどだった。焦げた臭いが立ち込めていた」と振り返った。

 電器店の男性従業員(64)は近くの喫茶店で火災に気付き店外に出たところ、4階から火の手が上がっているのが見えたという。男性は「炎で全体的に燃えている感じだった」と語った。