官民協議会が台湾で東北観光をPR


桜満開の特別車両運行

官民協議会が台湾で東北観光をPR

台北市の地下鉄板南線を走る「東北・夢の桜街道号」(東北・夢の桜街道推進協議会提供)

 東北の自治体や企業などでつくる「東北・夢の桜街道推進協議会」と観光庁が、台北市内の地下鉄板南線で日本の桜の写真をラッピングした特別車両(6両)を走らせるプロモーション活動を展開している。台湾から観光客を呼び込むのが狙いで、20日まで運行。各車両の天井や壁、床は桜の写真や広告で埋め尽くされ、乗客は満開の桜の中にいる気分を味わえる。

 協議会(事務局・青梅信用金庫)は、東日本大震災からの復興に向け、2011年12月に設置された。東北6県や東京都、旅行会社などがメンバーで、独自に選定した東北の桜の名所88カ所を巡るバスツアーやスタンプラリーを実施してきた。

 ただ、震災から3年たち、「国内の観光客が以前ほど熱心に東北に足を運ばなくなった」と協議会の宮坂不二生事務局長。海外でのプロモーション活動を企画し、第1弾として、多額の義援金拠出など親日で知られる台湾に売り込むことにした。

 13年に訪日した外国人旅行者は初めて1000万人を突破したが、東北の外国人宿泊者数は震災前の6割程度にしか回復していない。

 このため協議会は、東北への観光を呼び掛ける全面広告を台湾の有力紙に8日間掲載。東北の桜特集を組んだフリーペーパーも10万部配布した。「日本を観光するなら秋の紅葉」という台湾人の先入観を変えるため、「残雪を残す山々をバックに咲き誇る桜が東北ならではの醍醐味(だいごみ)」(宮坂事務局長)とアピールする。

 協議会は、香港や韓国などへのプロモーション活動も計画している。