原発事故後初、10年ぶりに福島県大熊町で成人式
新成人46人が友人との再会を喜ぶ、「精進したい」と決意
東京電力福島第1原発が立地する福島県大熊町で16日、原発事故後初めて町内で成人式が開かれた。2019年に一部で避難指示が解除され、会場となる交流施設が同日開所したことから、10年ぶりに地元での開催が実現した。
式には県内外から46人の新成人が参加し、遠藤瞭さん(21)が代表してあいさつ。「(震災や新型コロナウイルスで)日常が当たり前ではないと気付かされた。当たり前にするべく働いてくれている人がいることを強く胸に刻み、精進したい」と決意を語った。
避難先の同県会津若松市から参加した渡辺亜寿伽さん(21)は「大熊は安心できる場所。また訪れたい」と話した。千葉県の大学生青山麗さん(21)は10年ぶりとなる友人との再会を喜び、「コロナで来ることができない人がいたのは残念だが、開催できて良かった」と笑顔を見せた。
大熊町は原発事故後、全町で避難指示が出された。町民らは全国各地に避難を余儀なくされ、成人式も福島県いわき市や会津若松市で開催していた。