仙台にケア施設「仙台レインボーハウス」完成
あしなが育英会が東日本大震災遺児を支援、5月に陸前高田市でも
東日本大震災で親を亡くした子供たちの心のケアを行う「仙台レインボーハウス」が1日、仙台市青葉区に完成した。5月から本格的な運営を始める。あしなが育英会(東京)が運営するレインボーハウスは神戸市、東京都日野市に続き3カ所目。3月中に宮城県石巻市、5月には岩手県陸前高田市に関連施設ができる予定。
4階建ての内部には、サンドバッグがつるされ、思い切り暴れたり泣いたりできる「火山の部屋」などがあり、子供たちが自由に自分の感情を表現し、ストレス発散ができる。遺児同士の交流やボランティアの養成講座なども行い、地域を限定せず全ての震災遺児を受け入れる。
同日は遺児や保護者、ボランティアら約230人が参加し、竣工(しゅんこう)式が行われた。遺児の代表として、宮城県東松島市の中学1年高橋さつきさん(13)は「学校の友達に理解してもらえない話をここでは理解してもらえる」。岩手県大船渡市の小学5年熊谷翔太君(11)は「父を亡くし、遊んでいた公園もなくなった。ここで楽しく遊びたい」と話した。
同会によると、東日本大震災による遺児は少なくとも2000人以上おり、同会東北事務所の林田吉司所長は「まず施設に来てもらい、子供たちの声に丁寧に耳を傾けたい」と語った。