W杯イヤー、王者の広島が開幕戦でC大阪破る
フォルランにひるまず敵地で底力、Jリーグ1部が開幕
観客席の大部分がピンク色。3連覇を目指す広島が、盛り上がるC大阪の本拠地で王者の底力を示した。変わらぬ堅守を見せつけ、0-0から数少ない得点機を物にした。
フォルランの存在は当然警戒していた。FW佐藤が心中を明かす。「一見無謀(なシュート)に見えても、フォルランなら入るのではないかという恐怖感があった」。前半だけで3本のシュートを放たれ、会場は沸いた。それでもひるんではいられない。一進一退の展開に持ち込み、勝機を待った。
突破口を開いたのは後半26分。DF塩谷がドリブルで攻撃の起点となった。前線の選手が一体となって、C大阪守備陣を切り裂く。ゴール前に空いたスペースに、石原が右サイドからクロス。最前線に詰めた塩谷の姿が視界に入り、「あそこだけを狙った」。左足のボレーシュートで応えた塩谷が胸を張る。「ゴールの右端しか見えなかった。そこに入ってくれた」。成長株の25歳がヒーローとなった。
無失点で持ちこたえた試合に、「去年の(リーグ)最少失点が自信になっている」とDF水本。アジア・チャンピオンズリーグをこなしながらの序盤戦は、疲弊して出遅れた1年前の反省が頭にある。「誰が出てもわれわれのサッカーができる」と森保監督。注目の開幕戦で強敵を振り切り、確かな手応えをつかんだ。