兵庫県教育委員会、中国銅鏡300点寄贈を受ける


専門家が「世界一のコレクション」と評価

兵庫県教育委員会、中国銅鏡300点寄贈を受ける

兵庫県に寄贈される唐の青銅鏡。青銅に銀を貼り、金でカモシカやクジャクなどが描かれている(千石唯司さん提供)

 兵庫県教育委員会は10日、県内の美術品収集家から、青銅鏡など中国の鏡300点以上の寄贈を受けると発表した。細工が珍しく保存状態のいい銅鏡が多く、専門家は「世界一のコレクション」と評価。県教委は県立考古博物館で2年ほどかけて学術調査を進めた後、一般公開する。

 県教委によると、寄贈するのは同県加西市の会社社長千石唯司さん(65)。約30年前から中国の美術商などを通じ収集してきたが、「後世散逸してしまうと悲しい」と寄贈を決めたという。

 寄贈品の中には、琥珀(こはく)で花の模様を描いた約1300年前の唐の銅鏡や、中国でも発見例がない約4000年前のものと推定される銅鏡が含まれる。琥珀の鏡は、正倉院宝物に似た紋様の銅鏡があるという。

 鑑定した奈良文化財研究所の難波洋三埋蔵文化財センター長は「歴史的にも美術的にも世界一。重要文化財に匹敵する価値がある」と話している。