体操NHK杯優勝の村上茉愛「けが前より強く」
ミスに動じず国内に敵なし、2大会連続の五輪切符を獲得
2大会連続の代表入りを決めた村上は、涙を見せながらも東京五輪での活躍を力強く誓った。2019年には腰の故障でシーズンのほとんどを棒に振った。世界の頂点に挑むのは個人総合銀メダルを獲得した18年世界選手権以来だが、「けがをする前よりも強くなれた。メダルを取れるように頑張りたい」。胸を張ってエースの自覚を示した。
2種目目の段違い平行棒では手放し技の後、左手がバーから外れてしまうミスが出た。しかし、慌てずに残りの技を決め、減点を最小限に抑えた。「緊張が出たけど、逆にあれで落ち着けた。反省を生かすことができた」。続く種目にも気持ちの切り替えができていた。
会場入り後の練習で左太ももを痛めていたが、それを感じさせない演技。得意のゆかで着地を止め切れなかったが、技の難度で他を寄せ付けず1位。国内に敵なしの力を示した。
リオデジャネイロ五輪以降、ともに日本女子を引っ張ってきた寺本が代表入りを逃した。村上にはエースとしてだけでなく、チームを引っ張る役割も求められる。「一回落ちて、そこからはい上がれたことが原動力になっている。最高の準備をする」と気持ちを新たにした。