インドを旅して、人生観・価値観の変更を…
インドを旅して、人生観・価値観の変更を迫られる深い体験をする人は少なくない。5年前に取材で初めてインドを訪れた気流子も、それに近い体験をしたが、それとは別に、どこに行っても人が多いという印象が残った。
その時は、日本の新幹線の建設が予定されているアーメダバードからムンバイまで在来線に乗った。ムンバイは人口約1200万人(2011年現在)のインド第2の都市。人口密度が高く巨大なスラム街があることでも有名だ。首都デリーに劣らず、街中は人で沸き返っていた。
この人口の稠密さは新型コロナウイルスの感染には高いリスクとなる。インドでは1日の新規感染者数31万4835人を記録し、米国を抜いて世界最多となった。各地で医療崩壊の危機に直面している。
3月中旬から急激に感染が再拡大したが、「二重変異ウイルス」やワクチン接種が始まったことによる気の緩みが原因という。二重変異ウイルスというのは、英国型に似たものなど二つの変異株の特徴を持ち、感染力が高くワクチンも効きにくいというから厄介だ。
日本でも、東京、大阪、京都、兵庫の4都府県で3度目の緊急事態宣言があすから発令される。感染力の強い変異株と戦うには、より強力な対策が必要との判断からだ。
高齢者以外でも重症化しやすい変異株は大きな脅威だ。しかし、それに対抗するため、人と人との接触を控えるという武器があることを忘れてはなるまい。