「気温」は大気の温度で観測値、「体感温度」…
「気温」は大気の温度で観測値、「体感温度」は人間の肌が感じる温度の感覚でその計算式はあるが、文字通り感覚がそれを決める。体感が気温とかなり異なることもある。
先の日曜日の午後2時すぎ、東京・調布市の気温は34度。日が照り付ける中、駅前まで10分ほど歩いたが、思ったほど汗もかかず不快感もさほどなかった。商店ののぼり旗がパタパタと揺れ、風速は2~3㍍あったか。1㍍増すと体感温度は1度下がるそうだ。
体感温度は湿度によっても大いに違い、この時の湿度は56%。60%以上だと不快感が増していくが、50%前後では気温が2度ほど上がっても、人によっては体感にそれほど差はないという。
熱中症対策には、むしろ体感温度の管理が必要だ。日中、よく外に出掛けていく人には、そんなことは先刻承知かもしれない。気温と体感の関係を実感するから、それなりに温度調節し、気温が相当高くても熱中症に備えられる。
一方、高齢者は真夏の気温と体感の違いをなかなか実感しにくい。気温の情報が先に頭の中に飛び込んできて外出も億劫(おっくう)になり、家に居ても体感温度の調節が十分でなく、湿度で高まる不快指数を抑えることも容易でない。
テレビのニュースは連日、全国の最高気温と10位ぐらいまでの気温の都市をラインアップして、その後に「熱中症に注意してください」と紋切り型で添える。体感温度に関する情報をもっと前面に出すべきで、不親切な気がする。