PK職人控えのGK田子、出番に勇躍
全国高校サッカー、富山第一と星稜で決勝
2-2の同点で後半ロスタイムに入り、PK戦が視野に入った。富山第一がとっておきのカードを切る。異例のGK交代。投入された3年生の田子は、自他共に認める「PK職人」だった。
今大会のそれまで4試合は出番なし。「初出場が国立で、足が震えていた」と明かした。出てきてすぐにパントキックをミスして相手に奪われ、あわや決勝点を許す場面も。何とか2-2でしのいで見せ場につなげた。胸にはしっかり夢を抱いていた。「国立でPKを止めてヒーローになる」
「主戦場」のPK戦となれば、姿は自信に満ちていた。決められた1、2本目もコースは読み切り、四日市中央工3人目のキックを見事にセーブ。面目躍如の活躍で、母校を富山勢初の決勝に導いた。「あと2、3本は止められた」と悔しがる余裕も。
レギュラーで1年後輩のGK高橋は「一発の集中力がすごい。うちはPKで有利」と信頼を寄せる。控え選手にスポットライトが当たることは、まずないポジション。負傷や退場処分以外では、試合中の交代も基本的にない。たった一度の出番を生かした田子は「決勝でも、PKになったら絶対に止める」。星稜との北陸決戦でも、出番が来ることを信じている。